軽やかな行動力と、ハッピーな自分で。【20250916女性WSレポ】

 こんにちは、島の人事部広報担当のぽっぴんです。

この夏、島の人事部が初めて取り組んだ「女性向けワークショップ」も、ついに3回のシリーズを終えました。
8月に初回を開講し、2回目では「バランスホイール」を使って自分を見つめ、9月には3回の振り返りと発表へ。

僕も広報担当として取材に入りながら、毎回、その場に流れる独特の空気に触れて、「ああ、この時間は参加者にとって特別なんだ」と強く感じました。

ここでは、第2回と第3回を振り返りつつ、全体の総括をお届けします。


◼️第2回 バランスホイールで描く“ありたい自分”(8月26日)

会場に入ると、参加者の表情はどこか柔らかく、安心した雰囲気が漂っていました。
この日の会場は、島の人事部参画企業の関西ハウス工業さんが運営する貸会議場「松蔭」。
同社の社長・原田啓行さんが丹精込めて作られた建築で、どこか懐かしく、それでいて洗練された空間に、参加者の皆さんも自然と心がほぐされていったのだと思います。

  最初のチェックインでは、それぞれが「今の気持ち」を打ち明けます。

 「子育てに追われて自分を見失っていたけれど、前回のWSで少し取り戻せた気がする」

 「ここ最近とても忙しかったけど、今はみんなの顔を見てほっとしている」

 この場が、ただの学びの場ではなく、癒しの場にもなっていることを実感します。

▶︎ある未来に、自分を引っ張ってくれる存在。

 第2回の講師は、KOHさん。
おもむろにホワイトボードの前に立ち、突然、ペンを走らせます。
そこに書かれた文字。

 「わたし、あなた」ゲーム!

 一人が手で自分をさしながら「わたし」と言い、別の誰かにその手を差し伸べて「あなた」と告げる。
言われた人はまた同じことを繰り返し、どんどん「わたし、あなた」の輪が繋がっていく。
第2ラウンドは、声なし。視線だけで、「わたし、あなた」の輪を繋ぎます。

 はたから見ると少しおかしなゲームですが、目と目を見つめ合っているうちに、自然と笑みが溢れ、空気が一つになっていく。
どんどんとみんながその場に馴染み、一体となっていく感じが、しました。

そうして場が和んだところで、本題の「目標設定」へ。

 多くの人が「プレッシャーになる」「得意だけど上手くできない」と口にした目標設定に対し、KOHさんはこう続けます。
「目標は達成しなくてもいいし、変えてもいいし、いくつあってもいい。大切なのは“目標を設定すること”によって生まれる流れです」

ある目標を置くことで、そこに行くためのポイントが日常生活の中で勝手に目に飛び込んでくるようになる。
勢い勇んである未来に向かっていこうとしなくても、
その未来を意識しているだけで、自然とそこに引っ張られるようになる。

KOHさんは目標設定には、そんな役割があると解説します。

この言葉に、参加者たちは静かに頷いていました。
目標は自分を縛る呪いではなく、未来を動かすエネルギー源。そう聞いた瞬間、場の空気が軽やかになったのを、僕も感じました。

 次に取り組んだのが「バランスホイール」。
仕事、家族、趣味、社会貢献など8つの領域に点数をつけ、自分の現状を客観視します。
そこから「ありたい私」を言葉にしていく時間が始まりました。

 「ソロキャンプ仲間を作って、大自然の中でしょうもないことで笑い合いたい」

「保護猫活動に関わり、猫にまみれて暮らしたい」

 「奈良の米農家に行って自然農法を学んだ。淡路の外にも飛び出して、肌で感じながら学ぶ自分でありたい」

 「香りを極めて、外部からオファーを受けるような存在になりたい」

 「子どものためにフェルトのおもちゃを作って、それで遊んでもらえたのがすごく嬉しかった。人が喜ぶものを作れる私でありたい」

 語られる言葉の一つひとつに、その人の「生きたい姿」がにじんでいました。
場内はときに笑い声が響き、ときにしんと静まり返り、誰かの声に耳を傾ける。
素敵な空間です。

 最後にKOHさんは「何が起きても、それは通過点。自分を否定せず、晴れやかな気持ちで過ごしてほしい」と締めくくりました。
参加してくださった方たちが、どこか誇らしげな笑顔で会場を後にする姿がとても印象的でした。


◼️第3回 自分を振り返り、仲間と共有する(9月16日)

最終回。
予定されていた助産師さんの講義は急患が入り、急遽キャンセルに。命に関わるお仕事です。母子ともに元気でいてくれることを願うばかりです。

 代わりに設けられたのは、これまでのWSを通じて感じたことを、一人ひとりが発表する時間。

まずチェックインでは
「最後で寂しい気持ちがある」
「前回書いたバランスホイールを改めて書き込んでみて、仕事にまつわる部分だけでも行動できた」
発表と聞いて緊張を隠せない人もいれば、「韓国語のスピーキングを学び始めた。次は韓国旅行に行きたい!」と嬉しそうに話す人も。
様々な声が聞かれました。

 そうして少しのシンキングタイムを経て、いざ発表へ。

 ある人は、自分の新たな可能性に気づきがあったようでした。
「ずっと、『人のために』と思って生きてきたけど、そのためにはまずは自分が前向きじゃないといけないなと気づけた。
管理栄養士なので、これからも食事と健康には常に携わっていきたい。でも、このWSを通じて、健康を守るのは食だけじゃなく、人とのつながりも大切なんだと思った。
だから、そんな場作りもしていきたいと思うようになった」

またある人は、自作のスライドを持参し、WSを通じて人生を振り返った結果を丁寧に語りました。
「素直に正直に生きてきた自分を肯定できた。自分がハッピーなら、周囲もそれにつられて幸せになるのかなって思った。
一緒にいるだけでハッピーな気持ちになってもらえる存在でありたい」

 別の人は病気や家庭の事情を経てきた経験を語りながら、
「振り返ると、しんどいことも意味があったと思えた。
そして、どんな時に自分が達成感や幸せを感じているのかを気づくことができて、よかった。
自分と向き合ういい時間になった。これからも周りに勇気や元気を与えられる存在でいたい」と力強く話しました。

 さらに、日常の中にこそ喜びがあるとわかったとの声も。
「料理を丁寧にしたら子どもが喜んでくれたり、おもちゃを作ってあげたら笑ってくれたり。
すごいことは何もしていないけど、自己肯定感が上がってハッピーに過ごせた。
重く考えすぎず、軽やかに動いてみようって考え方にしたら、しんどくなることが減った。だからこれからも、軽やかに行動していきたい」

それぞれの発表の後には仲間からのフィードバックが次々に寄せられます。
「その循環が素敵」「エネルギーをもらった」「芯の強さを感じる」

 場全体が、互いを励まし合う温かな空気で満たされていきました。

 

▶︎内省が、社会を変えるちいさな芽になる。

 後半は、初回の講師・リエさんと、2回目の講師・KOHさんが登壇。
KOHさんは、これまでの学びを振り返りながら、「自分の喜びに許可を出そう」「感情を外に出し、流れを創ろう」「軽やかな自分でいよう」と改めて強調しました。

リエさんからは社会的な背景にも触れられました。
「日本のジェンダーギャップ指数は118位。兵庫県の男女賃金格差は全国でもワーストレベル。女性特有の健康課題による経済損失も大きい。
それでも、地方ではまだ“女性はこうあるべき”というバイアスが根強く残っている」

だからこそ、この場に集う女性たち、そして島の人事部に携わるメンバーや企業経営者には「そういうのは社会的におかしいよ、と言える人であってほしい」と。
個人の内面に向き合うワークショップが、社会を変える小さな芽にもなる。
そんな示唆を残して、全3回のシリーズは幕を閉じました。


◼️社会を動かすのは、意外と「軽やかさ」なのかもしれない。

 3回を通して感じたのは、参加者の表情がどんどん変わっていったこと。
最初は緊張や戸惑いが見えた人も、回を重ねるうちに、自分の言葉で「ありたい私」を語れるようになっていった。
その姿は本当に頼もしく、眩しく映りました。

 そして、参加者同士の絆が深まっていく様子にも、とても胸を打たれました。

僕自身も取材しながら、「目標は呪いではなく流れを生むもの」「努力せず成果が出る未来にも許可を出していい」という言葉にハッとしました。
何事も考え込みすぎる自分も、もう少し軽やかに生きてもいいのかもしれない、と背中を押された気がします。

 そして、最後にお伝えしておきたいのは、僕が男性だということです。
当初は、男性である自分が、取材者という立場とはいえ、この場で共に過ごさせてもらっていいのだろうかという迷いもありました。
でも、それを「軽やかに」捉え、ほとんど気にするそぶりを見せなかった参加者の皆さん。
その優しさに、救われたような気がしました。

 我々男性を含めた「日本社会」は、女性が向き合っている現実に、もっと一緒に向き合うべきだと思います。
でも、僕が今回のWSを通じて感じたのは、重要な問題について深刻に考えることはもちろん必要ですが、時には「軽やか」でいることも大切なのかもしれない、ということ。

そのためにも今回のような、それぞれが自分を顧みて、そこで生まれた感情を共有する場というのは、何にも変え難い貴重な機会なんだなと、肌で感じました。
参加者の皆さんが語った「ありたい私」が、日常の中で少しずつ形になっていくことを願っています。

【事務局からのお知らせ】

 女性向けワークショップはこれで一区切りですが、ここで生まれた気づきやつながりは、きっとこれからの淡路島を明るく照らしていくはず。

 今回、ご都合が合わず登壇していただくことができなかった助産師さんの講義は、2026年1月20日(火)に開かせていただくこととなりました。
正式に決定後、あらためて詳細をお伝えさせていただきます!

 今回のWSを実施するにあたっての目的に掲げていた「持続的な働き方を実現する」には、その人自身が “どうありたいか” だけでなく、その人を取り巻く環境(会社や家庭、友人関係など)がどう在るかも非常に重要だと思います。
だからこそ、1月のこの場には女性だけでなく、経営者や共に働く人にもお越しいただき、一緒に「はたらく」について議論する時間を設けたいと思っています。

Writer

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ぽっぴん

滋賀県出身。
読売新聞で新聞記者として勤務した後、独立して現在はフリーのフォトグラファーでライター。関西を中心に色んな写真を撮ったり、文章を書いたりしています。好きな食べ物は「ばーちゃんの手作りカレー」。

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