こんにちは、島の人事部広報担当のぽっぴんです。
2月5日、島の人事部は初の島外イベントを、大阪・京橋にあるオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」で開催しました。
タイトルは「ミギウデと創る、未来のしまづくり」。
淡路島の経営者の隣に立って、自分のスキルを活かして課題解決に伴走する。
そんな「となりのミギウデ」としてのあり方に興味を持ってくれた人たちが約20人も集まって、経営者の言葉に耳を傾けてくださいました。
「雇う/雇われる」でも、ただの「外注/受注」でもない。もっと対等で、それぞれのあり方を尊重する関わり方。それを模索する第一歩。
そんなスーパー意義深い夜になったこと間違いなしのイベントを、レポートします!

◼️共創が生まれるのは、「ゆるさ」から
会場となったQUINTBRIDGEは、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設。30000人以上の会員がおり、日々、新たな出会いが生まれる、関西屈指の〈共創の場〉になっています。
そんな場所で、この日の口火を切ったのは、島の人事部リーダーのまささん。
「今日はすでにちょっとビール飲ませてもらってます。もうそれだけで幸せな気分です(笑)」
そんな一言から始まった挨拶。一瞬、どうなるかとひやりとしましたが、「共創って、たぶんそんな“ゆるさ”から生まれると思うんです」と、うまく展開していきます。

曰く、
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真面目すぎると、本音が出にくい。
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本音が出ないと、つながりも生まれない。
だったら今日は、肩の力を抜いて、正直な気持ちを話せる場にしよう、と。
「淡路島の人と何かやってみたいな、とか。ほんまはこういうことやりたいねんけどな、とか。何かできたらおもろいだろうな、とか。そういう話を、眉間にシワを寄せずにできたらいいなと思ってます」
島の人事部が目指しているのは、“これからに続いていく関係”。
この日が、その最初の接点になれば──
そんな思いが、まささんの言葉の端々から伝わってきました。
◼️スキルを活かして、淡路島と関わる「となりのミギウデ」
続いて、プロジェクトマネージャーのありりんから、島の人事部の取り組みについての説明がありました。
キーワードは「となりのミギウデ」。
それは単なる人材紹介ではなく、“当事者”として一緒に企業の課題に向き合い、一緒に考え、一緒に悩み、一緒に前に進んでいく。
正社員に限らず、副業・兼業、業務委託、パラレルキャリア。その人の生き方やフェーズに合わせて、関わり方を一緒にデザインしていく。
すべては、人が循環し続け、輝き続ける〈島〉をつくるため。
淡路島という場所を一つの会社、つまり「経営共同体」と見立てて、“働く”と“暮らす”の新たな形を模索していることを、丁寧にお伝えしました。


◼️経営者が語る、「いま」と「これから」。だから、「あなたの力を貸してほしい」。
そして、この日のメインパート。
淡路島の経営者3名が登壇し、それぞれが自社の紹介とともに、今抱えている課題や未来への構想を語ってくれました。
登壇したのは、
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株式会社ビッグフューチャー 福原大貴さん(ダイちゃん)
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株式会社成田 福井啓太さん(ケイちゃん)
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株式会社岡田シェル製作所 岡田将武さん(まったけさん)
です。
それぞれのお話を、ぎゅっとまとめて、ご紹介します。
最大級の敬意を込めて、あえてニックネームで呼ばせていただきます。
▶︎ゴルフ練習場から、地域の居場所をつくる。
淡路島でゴルフ練習場「アルバトロス」を経営するダイちゃんは、自身のこれまでの歩みと、いま描いている未来について語りました。
島を出て東京で学生生活を送り、大阪で金融機関に勤めていた頃、家業の事情で島に戻ってゴルフ場経営を引き継いだダイちゃん。いま現場に立ち、機械の修理から運営まで自ら手を動かす中で感じたのは、「都会では埋もれていた自分の力が、島ではちゃんと意味を持った」という実感でした。SNS運用や仕組みづくりといった都会では埋もれてしまっていたスキルが、淡路島ではそのまま“価値”になる。その手応えが、事業への覚悟を強くしたと言います。

ダイちゃんが目指しているのは、ただのゴルフ練習場ではありません。
「アルバトロスを、日本一幸せなゴルフ練習場にしたい」。
その言葉の背景には、毎日通っていた高齢のお客さんが、体調を崩しながらも最後までアルバトロスに通い続け、「ここがあって幸せだった」と言い残してくれた、というエピソードがありました。
ゴルフをする場所でありながら、人が集い、時間を共有する“居場所”になる。
さらにダイちゃんは、ゴルフ産業が地域財政と深く結びついている点にも触れ、「練習場が地元に根ざせば、地方創生の起点になり得る」と語ります。
一方で、施設の老朽化や後継者不足など業界全体の課題も共有し、「この問題を淡路島で乗り越えたい。それが業界全体の希望になるはず」と力を込めました。
最後に、つながりたい人材として挙げたのは、COOのような現場を任せられるマネージャーや、マーケティング・広報・IT分野を一緒に考えてくれる人。
そして、そんな人に向けた熱いメッセージ。
「都会ではなくて、地方で本当に大きな挑戦の当事者として一緒に未来を作っていきませんか?都会で磨いたあなたの力は地方で必要とされています」
その言葉に、会場の参加者も静かにうなずいている姿が印象的でした。

▶︎地域の些細な困りごとを取りこぼさないために。
「まず自己紹介なんですけど、500年前のインドの王子にそっくりってことで、写真を使わせてもらってます」
人懐っこい笑顔を浮かべながら、そんな自己紹介を始めたケイちゃんは一気に会場の空気を我がものに。

株式会社成田は、創業70年以上の建設会社。道路の補修や災害復旧といった公共工事を担う一方で、「困ったときの成田くん」という民間向けの「地域のお困りごと」を解決するサービスを展開しています。
草刈り、家の片付け、ため池の泥さらい、電球交換まで。
年間200件もの問い合わせがあり、「誰に頼んだらいいかわからない」地域の小さな困りごとを片っ端から引き受けてきました。
その広報としてこれまで7年間続けてきたのが、新聞の折り込みチラシ。
社員さんが近況を書いたり、施工事例を簡単に紹介したり、お手製のニュースレターを毎月1回、配布してきたそうです。ただ、新聞購読率が高い淡路島では、高齢者の間では一定の認知が広がった一方、今後の課題は「次の世代」にどうやってこの事業の情報を届けるか、だといいます。
新聞購読者はどんどん減る一方で、デジタルの広告に取り組まないといけないのは明らか。でも、「ウェブなのか、SNSなのか、何が正解がわからない。戦略的に広報やマーケティングを社内で自走できるようにしたいと考えているので、その〈型〉を一緒に考えてくれる人がいたら嬉しいですね」と呼びかけました。
最後は、自身の挑戦についても軽やかに触れながら、
「まずやってみる。そこから直す。そんな性格です。
是非とも、何かコラボができたらいいなあって思ってます」
柔和な笑顔で会場の空気はほぐれ、皆さんがケイちゃんの言葉を真摯に受け止めていたような気がします。

▶︎未完成を楽しめる人と、島の未来をつくりたい。
鋳物の元となる「砂型」を製造する会社の経営に携わるまったけさんのお話は、淡路島の“ものづくり”の現在地と、そのこれからを見据えたものでした。
岡田シェル製作所が担うのは、一見するとニッチな分野ですが、その技術は船舶エンジン、建設機械、半導体製造装置、医療ロボットなど、世界の最前線につながっています。
「淡路の中小企業でも、世界に届く仕事ができるんです」
自らが働きながら実感した誇りや充実感を、明確な実績とともに語りました。

一方で、島が抱える構造的な課題にも目を向けます。
全国から観光地として注目される一方、地元の製造業は人材不足に直面しており、若い世代の働き手の確保が特に難しい。にもかかわらず、自分の息子は島外の学校に行かせている矛盾。まったけさんはそんなことも包み隠さず打ち明けることで、少しずつ参加者との心理的な距離を縮めていきます。
そんな中で、まったけさんがギアを一段上げて話し出したのが、AIの普及による社会の変化についてです。
「AIが普及によって、これからホワイトカラーの仕事は減っていく。一方で、僕たちブルーカラーの価値は必ず見直されると思っています」
だからこそ、いま社内の土台を整え、未完成な部分を一緒に育てていく仲間が必要だと訴えます。
どのような関わり方をするにしても、岡田シェルには、そして淡路島には、未完成であり、地方であるこその〈余白〉があると言います。
「この余白は、あなたの経験を試せる最高のキャンバスなんです」
未完成で、だからこそ面白い。
ともに歩んでいく「成長痛」を楽しんでくれる人。
まったけさんの熱い言葉に、会場の空気がグッと引き締まるのがわかりました。

◼️島での暮らしの解像度を上げる。
その後は、NPO法人「島くらし淡路」の甲斐みぎわさんによる、島暮らしAtoZの時間。
「淡路島で働く、という話は聞いたことがある。でも、淡路島で暮らすって実際どうなん?」
多くの人が一番気になっているのは、実はそこかもしれません。
淡路市の移住相談事業を請け負っている実績を基に、移住者の声を交えながら島の暮らしがかなり具体的に共有されました。
いいところだけでなく、「正直ここは不便」「慣れるまで大変」という点も包み隠さず語られたことで、会場の空気がぐっと現実寄りになります。
特に印象的だったのは、「淡路島に住む=すべてを島で完結させる必要はない」という話でした。
神戸や大阪にアクセスしながら暮らす人もいれば、二拠点生活を選ぶ人もいる。
“移住か、非移住か”という二択ではなく、関わり方のグラデーションがあるという視点は、多くの参加者にとって目から鱗だったように感じます。
働く話だけでなく、暮らしの話をちゃんとする。
この時間があったからこそ、今回のイベントが、より地に足のついたものになったように思います。

◼️「今すぐじゃなくていい」関係性
最後は、島の軽食を囲んだ交流会。
和やかな空気感の中、肩書きを外した会話が、あちこちで生まれていました。
島での詳細な働き方や、ビジネスモデルについて。はたまた、二拠点生活という暮らしのあり方について。互いの仕事の情報共有など、さまざまな対話が各テーブルで花開き、気がつけば一瞬で交流の時間は過ぎ去っていました。



イベント終了間際、参加者からは、
「意外というと失礼かもしれないが、島にも熱い思いを持って経営している人がいるんだなと。どんな関わり方ができるかまだわからないけど、こういう機会をきっかけにこれから自分にとっても、島にとってもプラスになることができるかもと思うと、ワクワクした。」
という声も。
そんななか、まささんが最後に語った言葉が、このイベントを象徴していました。
「今すぐじゃなくてもいい。きょうできた関係性を続けていって、いつか花が咲けばいいなって思ってます」

島の人事部にとって、この日は“ゴール”ではなく、はじまりの火が灯った一日だったのだと思います。
大阪と淡路島。
距離はあっても、つながっている関係。
これから、どんな花が咲くのか。
その余白を信じて、島の人事部は、また次の場をつくっていきます。
ご協力いただいた島の経営者さん、参加者の皆様、QUINTBRIDGEスタッフの皆様、ありがとうございました!!!!
島の人事部、全力で走って参ります。今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。

▷Podcast「あわじ、しゃべってます。」(Apple Podcast、Spotify、Amazonmusicでon air!)
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Writer
ぽっぴん
滋賀県出身。
読売新聞で新聞記者として勤務した後、独立して現在はフリーのフォトグラファーでライター。関西を中心に色んな写真を撮ったり、文章を書いたりしています。好きな食べ物は「ばーちゃんの手作りカレー」。
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