こんにちは、島の人事部広報担当のぽっぴんです。
8月から1ヶ月間、全国の大学生7人が淡路島に暮らしながら、地元企業さまや団体さまとともに課題解決を目指す長期インターンシップ「地域ベンチャー留学」。
ついに、終了しました!!!!!
それに伴い、9月16日に企業・団体を招いての最終報告会、17日に淡路市の戸田敦大市長に向けた成果報告会が開かれました。
この記事では、戸田市長への報告会をレポートします。
8月18日のキックオフから、約1ヶ月。
全国から集まった大学生たちが、島内3つの企業・団体で走り抜けた成果を、ぜひみなさんにも知ってほしい
です!!

■ 「継承」を巡る1ヶ月の旅の始まり
発表に先立って、島の人事部のありささん(淡路市地域おこし協力隊)が、今回の取り組みについて紹介。
今回活用したのは、NPO法人エティックが主催する制度。
全国の企業や行政団体、それにまつわるプロジェクトなどが学生を募集し、およそ200人の学生が集まるオンラインのフェアを経て、各地域とマッチングしていくプログラムです。
淡路島からは、島の人事部を通して志筑地区・商工会、ミツテック株式会社、北坂養鶏場の3つの企業・団体が学生を募集しました。

ありささんは、淡路島に移住してもうすぐ2年。
観光地としてだけでは語れない、この島の日常や暮らしの文化に触れるなかで、「この島を大切にしたいと思う人がいなくなれば、その価値は失われていってしまう」と感じたことが、このインターンシップを行おうと思った理由だと語りました。
ベンチャー企業の社員として東京で暮らしていた頃は、周りの状況に左右されて、いわば「生かされている感覚」しかなかったけれど、淡路島に来て「自分の足で立ち、自らの力で生きている感覚」を得られた。
その感覚を学生にも、そして受け入れる企業側にも味わってほしいという思いから、「継承」を大きなテーマに、1ヶ月のプログラムが始まったことを伝えました。
■ 志筑地区・商工会チーム
「声を、手にとれる形に」
最初の発表は、志筑地区・商工会チーム。

再発見・再発信・再発展を合言葉に取り組んだ成果物は、志筑地区のマップと、ガチャガチャ。

マップには、2人の大学生が地区内で面白いと感じた場所や、逆に不便に感じた場所など40のスポット情報を掲載。
裏表で地元住民向けとビジター向けで仕様を分けることで、地域外の人だけでなく、地元の人たちにも志筑の魅力を再発見できるような工夫を凝らしました。
作成過程では、歴史と食にフォーカスして6人の地域住民へのインタビューを実施。その様子を収めた動画を編集して、地図に掲載したQRコードから動画を見られるようにしました。
作成した学生は「地元の方の声を通して、淡路島のリアルを再発見してもらえるきっかけになれば」とねらいを明かしました。
志筑地区内の25ヵ所に設置する予定で、無料でお持ち帰りいただけます!
もう一つの成果物、ガチャガチャは全10種類。
9人からのクラウドファンディングで資金を集めて実現し、地区内の飲食店や不動産屋さんのロゴ、伝統のだんじり、志筑の地区道路標識などをアクリルキーホルダーに。
一回300円で、スーパーキンキ志筑本店に設置されています!
マップと同様、居住地域や属性に限定されることなく、より幅広い層に届く、若者らしいアイデアから生まれたアイテムとなりました。

さらに2人がこの1ヶ月で見えてきたと言うのは、「なぜこの地域には『人と人とのつながり』が残っているのか」。
それは、
①思いが強く、それを実現するために行動する人が多いこと
②海と山、モノを作る人と買う人の距離が近いこと
③だんじりのような地域住民共通の目標があること
この3つが、志筑の人と人とのつながりを支えているのではないか、と分析。
そしてこの1ヶ月を振り返って、出会えた人とのつながりを「一生ものにしたい」と語る学生の明るい表情が印象的でした。
質疑応答では、市長から「デジタルではなく紙で作った狙いは?」と問われて、
「スマホはその人の好きな情報しか出てこないけれど、現実に紙としてあることで、興味関心に関係なくより多くのいろんな人の目に留まるはず」と回答。
市長も「地元住民でも気づかない魅力を深掘ってくれてとてもうれしい。こうした素晴らしい成果物をより多くの人に手に取ってもらうための発信が、我々地域の課題」と力を込めていらっしゃいました。

■ 北坂養鶏場チーム
卵の向こうにある「ストーリー」をつなぐ
続く北坂養鶏場チームのテーマは、「北坂養鶏場と飲食店のより深い関係づくり」。

そのために実施したのは、北坂養鶏場が卵をおろす島内外の飲食店9店舗にヒアリングを重ねた上でのリアルイベントの開催でした。
それに向けてまずば業務内容を知るべく、早朝からひよこをケージに入れる作業や、鶏をサイズの合うケージに運ぶ「成鶏移動」も経験。
「卵はいつでも買えるのが当たり前だと思っていたけれど、それが当たり前じゃなく、裏側にはたくさんの人の苦労があるんだと知った」といいます。
開催したイベントでは、ヒアリングさせてもらった飲食店が出店。
学生は各店舗の個性をまとめたパネルと、北坂養鶏場の従業員を紹介するチラシを制作。卵そのものの魅力だけにとどまらず、従業員の思いや、養鶏場の理念を伝えました。

そして、その成果物に加えてこのチームの学生たちが立てたのが「たまむすびプロジェクト」という5年間の構想。
1年目の今回はまずは北坂養鶏場と取引先飲食店のより深いつながりのきっかけとなる「出会い」を生み出すことができました。
だから来年はその関係性を「より知って、深めて」、その先で最終的には「仲間になる」ことを目指すといいます。
引き継ぎのための資料もまとめた上で、きちんとプロジェクトが終わった後の「これから」を見据える姿勢に、学生の真摯な想いを感じました。
質疑応答で、市長から「北坂養鶏場らしさを一言で言うと?」と聞かれた学生は、
「言語化するのは難しいけれど、あえて言うなら、自分らしくいられる環境。年齢も性別も関係なく、なんでも言い合える対等な関係」と回答。
現場を実際に経験したからこそ、より深くその魅力を感じ取ったそうです。
市長は「北坂養鶏場さんは卵を売っているようで、実はそのストーリーや真の価値であるベネフィットを売っているんですね」と言い、
若い世代の中でも、ただ質の高いものを求める需要ではなく、そうしたベネフィットに対するニーズが高まっていることがわかったと話しておられました。
■ ミツテックチーム
魅力を適切に、的確に、伝える
ミツテックチームが向き合ったのは、求職者への情報発信における課題。
理系の学生に、自社の魅力や働きがいをうまく伝えるにはどうすればよいかという企業側の悩みを、一緒に考えてきた1ヶ月でした。

そのために、大学生はまずミツテックの業務内容や高い技術力について細かく伝授されました。
その中で、難しくてなかなか理解できないこともたくさんあったといい、それでも挫けずにプロジェクトを進めてきた姿勢が印象的でした。
ただ、そうした疑問を学生側が率直に抱いたことをヒントに、会社見学の台本や手元資料、見学マニュアルなどを制作。
単なる会社の魅力や業務内容だけでなく、外から見た視点を加えることでより伝わりやすい採用広報活動につながりそうな成果物となりました。

さらに、YouTubeでのvlog投稿やnote記事の執筆も実施。
淡路島で実際に暮らして感じたことを、ギャップも含めて、「これは伝えたい」と思ったことを一つひとつ取り入れていったといいます。
暮らしのリアルな部分を伝えることで、淡路島は「島だけど、島じゃない」「街だけど、島である」という特殊な風景を描き出し、
移住に対するハードルが下がったり、暮らし働く選択肢に入ったり、
ここで暮らしたいと思う人が出てきたりするのではないか。
そんな願いを込めて活動して来たと言います。アカウントはこれからも社内で運用を続けていくそうです。
YouTubeとnote埋め込む予定
市長は「私たち自身も、職員の募集には困っているところがある」とし、
「シティプロモーションを展開していく上で、淡路での暮らしをテーマにしたいとちょうど思っているので、すごくたくさんのヒントをもらえる発表でした」と伝えました。
学生は「地域のリアルを伝えるには、まずは自分の当たり前に気づくことが大事で、でもそれがとても難しかった。自分にとっては当たり前のことでも、ターゲットにするペルソナにとっては大事なことがあったりする。そうしたことを常に考えておく大切さに気づくことができました」と振り返りました。

■ 市長総括
違う切り口の、同じ想い
3チームの発表を聞いた戸田市長は、こう総括しました。
「テーマも取り組む場所も違うけれど、根っこで伝えようとしていることは同じなのではないかと思いました。
それは、地域の魅力を感じてもらうこと。
そしてそのための共感を得るために、どう効果的に伝えるか。
こちらの思いと相手の思いを、ストーリーとしてしっかり成り立たせて伝えることで、共感してもらう。
それが3チームに共通する部分だったと思います」

そのうえで、「私たちも、特に若い世代にこの地域で暮らすメリットを伝えていかなければならない。
今日の発表を聞いて、発信の仕方、伝え方には、まだまだ工夫の余地も、伸びしろもあると感じました。ありがとうございました」と、締めくくりました。
市長がおっしゃったように、それぞれのチームで異なる取り組みを続けてきた期間でしたが、根っこにある部分は、同じだったように思います。
この地域の魅力は、何か。
それをいかにして伝えるか。
そしてそれは、わたしたち島の人事部も常に大切にしている問の一つでもあります。
この島のリアルを、伝える。
そうすることで、島にとって、島と関わりを持つあらゆる人にとって、
人生がより彩り豊かに、自分らしくあることができるきっかけになるはず。
シンプルですが、とても重要なミッションであると再認識しました。
一人で知らない土地に飛び込み、知らない人と、過ごす1ヶ月。
それは若い彼らにとって、決して短くなかったと思います。
苦労も知って、様々な大人と関わって、たくさんの経験を積んでこの日を迎えた大学生は、
1ヶ月前に初めて会った時とはぜんぜん違う顔をしていました。
ぜひ、この日々がみんなにとって何かのきっかけになりますように。
せっかく出会えたのだから、また、会いましょう!
この島で!!!!
それまでお互い、成長し続けましょう!!!!
そんな想いに、僕もなりました。(アツイ!)

最後に、参加してくれた学生のみなさん、
あたたかく学生たちを受け入れてくださった志筑地区商工会、ミツテック株式会社、北坂養鶏場のみなさん、
そして関わりを持ってくださった地域の方々、
本当にありがとうございました!!!



Writer
ぽっぴん
滋賀県出身。
読売新聞で新聞記者として勤務した後、独立して現在はフリーのフォトグラファーでライター。関西を中心に色んな写真を撮ったり、文章を書いたりしています。好きな食べ物は「ばーちゃんの手作りカレー」。
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